本荘こけし

由利本荘市

 由利本荘市で生産されている県指定の伝統的工芸品です。

 なで肩のすらりとした立ち姿と、おだやかで素朴な表情が特徴です。

 現在は4名の作り手がその技を継承しています。

歴史・特徴

 本荘こけしの歴史は、明治期に鳴子(宮城県)からの木地師・高橋弥太郎が本荘の地へ移り住み、木地技術を伝えたことに始まります。その技術を受け継いだ職人の一人・河村辰治が、明治 30 年頃鳴子で改めてこけし作りの技を習得。その技を本荘に持ち帰り、子供の玩具や土産物の“本荘こけし“として販売されました。

 そのルーツから鳴子こけしの制作方法を顕著に引き継いでおり、外鳴子(鳴子から分化し系統を保ちながら鳴子以外の場所で作られたもの)とも認識されています。

 以後 120 年以上の年月を経て受け継がれ、現代でも本荘こけしの特徴である飾りすぎることのない素朴な慎ましさに魅入られ、多く愛好家が存在しています。

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技術・職人の技

 材料には、主にエゴノキ、ミズキ、イタヤカエデが使われます。特に、旧本荘市で身近であった「エゴノキ」は、轆轤木ともよばれ加工に優れる他、白地で描彩が映えるため多く利用されてきました。

 材料を伐採し、乾燥を経て、ろくろで削りこけしの形状にするという作り方の中でも、頭部と胴部をそれぞれ別に削り、ろくろの熱膨張を利用し胴に頭をはめる「はめ込み」のつくりが特徴です。この構造により、首を回すことができ、回したときにキュッキュッと音が鳴ります。はめ込みには、熟練の技術が求められます。

伝統柄は 8 柄あり、井桁(いげた)、絣(かすり)、楓(かえで)、石竹(せきちく)、あやめ、立ち菊(たちぎく)、変り井桁(かわりいげた)、炎菊(えんぎく)、いずれも飾りすぎない簡素な模様が特徴です。

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産地の取組

 由利本荘市 鳥海山 木のおもちゃ館では、この地の人々と木とのかかわりや、作品を展示しており、本荘こけしについても展示や絵付け体験などの機会があります。

 また、由利本荘市工芸品展などの催しで、本荘こけし販売の場を提供しています

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工房・産地紹介

□ 本荘こけし修
〒015-0093 秋田県由利本荘市大沢12
電話 080-6054-6637

□ 佐藤 こずえ 工人

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□ 齋藤 祥子 工人

https://www.instagram.com/honjokokeshi_sachiko?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==

□ 木工舎つきのわ 岡本 雄
〒018-0851 秋田県由利本荘市平岫字牛王瀬 14
TEL 090-3270-7730
MAIL mail@tsukinowa.me

 

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